人気ブログランキング | 話題のタグを見る

バック・パッカーの一人旅をお勧めします。


by kodaira220

俳句アラカルト



   俳句アラカルト  清 水 弘 一


毎日が休みの中の夏休み 岡本久一
-多摩のあけぼの 創立三十周年記念句集より -   2017-31


毎日が休みとは定年退職した六十歳以上の人た
ちの第二の人生を優雅に過ごす様子がうかがわ
れる。やるべき仕事も、責任もなく日々生活を
送る人達それらの人々にも夏やすみという
言葉はある。


句の平易さに思わず微笑みが浮かぶのは毎日が
休みの側に立つ人間だからなのであろうか?


毎日が休みの人達は日々どの様に過ごすので
あろうか?

海外移住する人や海外旅行する人も多いであろ
う。毎日ゴルフ・テニス、サーフィン等に明け
暮れる人達を想像することは出来るが身近には
居られない。
毎日ゴルフの人が家族旅行する
ことが夏休みとも思えない。


還暦・古稀を過ぎても日々の生活のしがらみ
から抜け出ることの出来ない人達ばかりが周り
にいるのは不思議と言えば言える。
彼ら彼女らは、日々忙しく
コーラス・絵画・
俳句・茶道・テニス・ゴルフを楽しんでいる。
その一方で、民生委員や自治会の役員、各種
ボランティア活動等にも励んでいる。


何も地域活動をしないと思える人も家で親や
家族の介護をされているかも知れない。
寝たきりの両親や、障害者を抱えるご両親は
一週間に5時間程の自分の時間が欲しいと思
っている。どの立場に居られようとも夏休み
は欲しいと思う。


ラテン国のスペイン・イタリー・フランスで
仕事をしていた折、彼らが最も大事にするの
は夏休みであった。
夏休みは家族と過ごす
大切な時間であり、多くの会社の社長や社員
は夏休みを決めてから一年の生活の計を
組み立てるのが常であった。
夏の時期パリやマドリーやフィレンツェの
住民が一か月前後都会を離れるのが毎年の
行事である。


作者は俳句結社の主宰で多忙であるが、現代
俳句協会の役員として俳句の審査・講評や
地域の俳句指導なども行っている。
はたから見ると暇な生活と映るであろうが、
子供時代の様に夏休みが欲しいと切実に思う
のが人の常である。


人間とは無為に日々を送ることの出来ない定め
ではなかろうか。 AI化が進んだとしても、
忙中(ぼうちゅう)おの(かん)自覚程度
最良
 






by kodaira220 | 2017-06-21 16:17 | 俳句