俳句アラカルト
2017年 04月 04日
俳句アラカルト 清 水 弘 一
五位鷺の一本足の花見かな 根岸敏三
-多摩のあけぼの 創立三十周年記念句集より - 2017-23
上野の山の桜は4月2日満開となり、多くの花見客で
にぎわった。日本人は桜の花が大好きで靖国神社の
標本木での開花宣言は都民ならず、全国の桜好きが
注目しております。
今年度は東京が全国に先駆けて、開花宣言を行い満開の
宣言ともなった。房総や南国土佐や宮崎でなく東京都が
一番とは奇妙な感じがするが事実で有るらしい。
農耕民族である日本人にとって、桜や菜の花の開花は種まき
などの農作業をとり行う重要な目安ともなり豊作の予兆や
祈願も合わさり目出度い花でもある。
数年前、井の頭公園の桜の時期に五位鷺が池にせり出した
枝の中にひそんで魚を狙っているのに遭遇した。
カラスより大きめで首や手足も長い。
腹は純白で背中の羽根は空色から藍色の色合いであった。
ご近所の年配のおじさんが、あれは五位鷺で鳥で一番偉い
のですよと嬉しそうにささやいてくれた。
五位の位と言えば殿上人ですから、貴族であり殿上で
歌を詠むことも出来る高位であります。
因みに戦国武将の真田幸村は従五位下左衛門佐でしたから
位だけなら五位鷺が上位となります。
この五位は醍醐天皇の命令ですから、鳥で一番偉いとの
説明は正しいことになります。
五位鷺は確かに一本足を折り曲げて、何時でも獲物に
飛翔できるように樹幹にたたずんでおりました。
五位鷺は獲物を獲る合間に池面にせり出した桜を愛でて
いたのだと教えて頂きました。
俳人の視点はユニークでユーモラスです。 了。
by kodaira220
| 2017-04-04 21:02
| 俳句