俳句アラカルト
2016年 08月 13日
俳句アラカルト 清 水 弘 一
水槽に海月を活けてインテリア 敦子
クラゲは漁業者の網に大量に入り厄介者あつかいを受けたり、海水浴中の人々を刺す種類もいるので嫌われる存在であった。
2008年下村脩氏がクラゲの発光タンパク質の発見でノーベル化学賞を受賞。日本の水族館でもクラゲ人気から鑑賞者が大幅に増えたニュースが伝わる。
何時しか、クラゲは癒し系の観賞用として人気を博している。
揚句の作者はクラゲの彩りや大きさ等を考慮して、あたかも生花の如くにインテリアとして活けると表現する。
古流の 嵯峨(さが)御流(ごりゅう)や御室流(おむろりゅう)として活けたところ、クラゲの動きによって草月流や小原流、更には 投げ込み流や己の流派に似ていると想像するのは自由である。
どんなクラゲを入れても水揚げは不要であるが、活けるという表現は不思議と適切に感じられる。 了。
by kodaira220
| 2016-08-13 18:18
| 俳句